寄り添うって
人の気持ちに寄り添うって難しい
わたくしの仕事はただの販売員
でも、人の命に関わるものを扱っております。
最期にお家へ帰る時に着るものだったり、初めてにして最期の帰宅に包まれるものだったり。
決して笑顔にだけ出会える場ではなく
真っ赤な目をして震える声で「○○(品物)ください」と言われることもある。
笑顔でそれを要求される方の大半は年配の方々で、着用される方は長い闘いを終えた方。
「だいぶ頑張ったからね」って御家族の方は笑顔で言う。
その時は
「お疲れ様でしたね。
お客様もお身体お大事にしてくださいね。」
って笑顔で見送ることができる。
でも若くて、泣き腫らしたのだろう顔で来る方にはどう接したらいいのかわからない。
出来るだけその人に寄り添いたい。
今日いらした方はわたくしよりもずっと若いだろう方だった。
親御さんかご兄弟かはわからないけれど、憔悴しきって涙を堪えレジに来た姿を見たらギュッてしたくなった。
絶対今つらい
もうどうしたらいいかわからない
けど買ってこいと言われたから買いに来た
泣きながら
こんな感じかしら?と思ったら
こっちまで泣きそうになってしまった。
何もしてあげられない販売員
なぜか咄嗟にティッシュの箱を渡してしまった。
自分に出来ることはその涙を拭いてあげることくらいしかなく、でも物理的には難しいので拭けるものを差し出すしかなく。
こんな時もうちょっと自分が人に寄り添える人だったら気の利いた言葉のひとつでもあげられたかもしれない。
でもティッシュしか渡せない。
そのお客様は今とても心が修羅場だろうに「ありがとうございます」だなんて泣きながら言われちゃったらもう涙腺が。
お金を支払われる手も震えていて、見ていていたたまれなくなった。
こういう時は「ありがとうございました」を言わないルールなので、お客様に深々頭を下げてサヨナラ。
もう会うことはないでしょうけど、もしどこかであのお客様を見かけた時に、お客様が笑顔で通り過ぎてくれますようにと思う魔物でありました。
あーいう時
他の店舗の人はどのように対応しているんだろう?
気になる。